人気ブログランキング | 話題のタグを見る

CHIZU BLOG

心の旅⑨ 弟

葬儀の最後の挨拶を弟がしました
その挨拶は
「私は 父が嫌いでした」から始まりました
きっと母も甥っ子諒君も参列していた皆さんがビックリしたと思うけど
私はそれが 「私のせい」だと言うのがわかっていました
弟は挨拶で 嫌いと言う言葉を使ったけれど 「苦手」という言葉をあえて「嫌い」と言ったのだと思います

苦手で父と話した記憶がほとんどない事
進路も何もかも相談することなく家を離れたこと
経営者だった父の会社を本当は継ぐべきではなかったのかと後悔していること
長男なのに実家を出たこと
父を尊敬していたこと そして 本当は沢山話したかったんだということ

その夜 翌日に仕事がある弟の嫁と学校がある甥っ子諒君は一旦帰り
実家に母と弟 ごぉちゃんと私が残りました 母とごぉちゃんが寝た後 リビングで2人になった時
今しか聞けないと思って 弟と話をしました

あんたさぁ 嫌いじゃなくて苦手やったんでしょ それって私のせいでしょ?
と言うと 弟は 「そうだよ」と言いました

父と私は性格がとてもよく似ていて周りからも「2人はそっくりだ」とよく言われていました
とにかく 子供の頃から父とは激しい喧嘩も日常茶飯事で 些細なことで爆発して
一気に言い合いになって オロオロと止めに入る母と それを冷静にジッと見てる弟という感じでした 言葉も相当きつかったと思います さすがに父は手を出すことはなかったけど
すごい剣幕で私と言い合っていました
が・・・5分後には2人とも 何が理由であんなにヒートアップしたのかわかんない(^^;)タイプで
ケロっとして一緒に買い物に行ったり馬鹿話したり(まるで 今のごぉちゃんと私の喧嘩みたい)
そういうのを見てきた弟は 変な感じで冷静になっていて
子供心に「親にこんな事を言ってはいけない」「心配かけてはいけない」と思っていたようです

そんなに激しかったっけ?と私

とにかく 沸点の低い2人で どうして そんなどうでもいいようなことから
喧嘩が始まって それでいて着火から噴火までが早くて・・・そして そんなに言い合っていながら
何事もなかったようにゲラゲラ笑って仲直りしているのが信じられなかった

のだそうです そしてそれが とても羨ましかったと・・・

弟が高校2年にあがると同時に私は東京へと出て2年間 弟は父母と3人暮らしになったのですが

その2年間 うるさい私がいなかったから 父ちゃんと話せたの?と聞くと
2年間の記憶がほとんどないと言うのです 食事の時間だけが父と顔を合わせる時で それが苦痛でいたたまれず すぐに食べ終えて席を立っていたって。

思えば 父が弟に話しかけることも 弟が父に話しかけることも見たことありません

私と弟では180℃ 父との関係は違うのです

それでも父と諒の関係は とても良いものでした 溺愛していたし話も良くしていました

息子とだけ ホント 話さなかったんだなぁ父は・・・・

お父さんは あんたを信用してた 独立してしっかり働いて結婚して子供を育てて 何1つ心配かけなかった お父さんの後ろ姿見て学んだんでしょ お父さん安心してたから何も言わなかったんだよ

葬儀に参列してくださった父の仕事の仲間の方が何人も
「俺の自慢の息子」と言って弟の話をしていたよと教えてくれました
嬉しそうに 仕事を頑張っている息子のことを話していたと・・・

父と息子の関係は 無言でも伝わっていたと思います
by 4wanbesufuai | 2011-02-05 11:44 | 心の旅